【 台北駐日經濟文化代表處札幌分處 】
2021年12月第4週TOPICS
【 台湾の国民投票、全て不成立 蔡総統「民主主義は最も強力な後ろ盾」 -政治- 】
台湾で18日に行われた国民投票で、4件全てが不成立となった。蔡英文総統は同日夜、総統府で記者会見を行い「台湾が課題に直面する際、民主主義はわれわれの最も強力な後ろ盾になると信じている」と語った。国民投票にかけられたのは、成長促進剤「ラクトパミン」使用の豚肉などの輸入全面禁止▽第4原子力発電所(新北市貢寮区)の稼働▽液化天然ガス(LNG)受け入れ基地の建設地の移転▽全国を対象とした選挙と国民投票(住民投票)の同日実施―についてそれぞれの賛否を問う4件。最大野党・国民党が4件全ての賛成を求める一方で、蔡氏が率いる与党・民進党は反対を呼び掛けていた。いずれも成立条件となる賛成票が有権者数の4分の1に達しなかったほか、反対票を下回り、不成立となった。蔡氏は、今回の投票結果が示した国民のメッセージとして、国際社会への積極的な参加▽エネルギー転換と電力の安定供給および経済成長の維持▽経済と環境保護両立の重視▽公共政策に関する情報の透明化と理性的な議論―を求めているとした。また、われわれの前には多くの課題に向き合わなければならないと強調。引き続き努力して台湾人の期待に応えたいと意気込んだ。
中央社フォーカス台湾:2021年12月18日
【 台日与党「2プラス2」 日本5県産食品の輸入解禁時期には言及せず –政治- 】
与党・民進党は24日、自民党と外交や経済についてオンライン形式で協議した。日本側からは台湾が2011年以降続けている福島など5県産食品への禁輸措置について関心が寄せられた。民進党から出席した羅致政(らちせい)立法委員(国会議員)は会談後の記者会見で、解禁の時期については双方とも言及していないとしつつ、科学的根拠を基に対応することで一致したと説明した。両党は8月、外交・防衛分野の責任者による「2プラス2」をリモート形式で開催。今回の会談はその第2弾となった。民進党からは同党国際部主任の羅氏と立法院(国会)経済委員会召集委員を務める邱志偉(きゅうしい)立法委員が、自民党からは佐藤正久・外交部会長と石川昭政・経産部会長がそれぞれ参加した。1時間を予定していたものの、議論が白熱し、40分間延長した。羅氏によれば、会談では環太平洋経済連携協定(TPP)への台湾の加入について多くの時間が割かれた。佐藤氏は、自民党が今年の衆院選公約で「台湾のTPP加盟申請を歓迎」すると明記していたことに言及したという。前回の会談では軍事や防衛について話し合ったが、今回は軍事協力の問題は取り扱わなかった。5県産食品への輸入規制に関して邱氏は、台湾は人々の健康と食の安全を確保することを前提に、科学的態度、科学的根拠、国際的基準によってこの問題に向き合っていくと述べた。台湾は東京電力福島第1原子力発電所事故以降、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県産食品の輸入を禁止している。
中央社フォーカス台湾:2021年12月24日
【 高市氏、台湾有事への備え訴え「多国間の協力体制構築を」 -政治- 】
自民党の高市早苗政調会長は19日、東京都内で講演し、台湾海峡の危機に備え、日米共同作戦計画の策定や同志国による共同訓練の実施の必要性を訴えた。台湾を含めた多国間の協力体制を構築すべきとの見解も示した。民間団体「日本李登輝友の会」の会合に出席し、「台湾と日本の安全保障」のテーマで講演した。中国が台湾への圧力を強めている中、日台間では秘匿可能な通信連絡やリアルタイムに情報を共有する手段がないと言及。情報共有のためのホットラインの開設や、中国機の情報を相互に知らせる仕組みの確立を検討できないかとの考えを示した。
中央社フォーカス台湾:2021年12月20日
【 日本の対台湾窓口機関が交流イベント 蔡総統「台日は今後も助け合う」 -社会- 】
日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会は25日、台北市内で日台親善友好イベント「日台之心 クリスマス音楽会&マルシェ」を開催した。蔡英文総統はビデオメッセージを寄せ「この先も必ず台湾と日本は手を携えて助け合っていくと信じています」と語った。イベントに出席した呉釗燮(ごしょうしょう)外交部長(外相)は、台日関係は隣国関係の最も良い手本だとあいさつ。台北や台南、高雄で個展を開いた日本人画家の奈良美智さんもビデオメッセージを寄せ「いつかまた一緒にもっといろんな街でいろんなことができたらいいなと思っています」と語った。交流協会台北事務所の泉裕泰代表(大使に相当)は、今年日台の往来は新型コロナウイルスの影響を受けたものの、友情は全く揺るがず、深まり続けていると友好な日台関係を強調した。会場には約30の物販ブースが設置された。また夜に行われる音楽会には、日本との友好親善関係の増進に貢献した個人や団体に贈られる外務大臣表彰を受賞した人気ロックバンド、ファイヤー・イーエックス(滅火器)やリン・ユーチュン(林育群)などが出演する予定。
中央社フォーカス台湾:2021年12月25日
【 高雄メトロ・イエローライン 建設にゴーサイン 2028年末開業目指す –観光- 】
国土政策の策定・審議などを担う国家発展委員会(国発会)は20日、高雄メトロ(MRT)イエローラインの建設計画を承認した。2022年末に着工予定で、28年末の開業を目指している。計画によると、イエローラインは再開発エリア「アジア新湾区」や観光名所の「澄清湖」、高雄市中心部にある苓雅区や前鎮区、鳳山区などの人口密集地を結ぶT字型の路線で、全長は22.91キロ。23駅と1カ所の車両基地が設置される。建設費は1442億3700万台湾元(約5900億円)。無人自動運転方式を採用する。高雄市の林欽栄副市長は計画承認後の記者会見で、高雄メトロのレッドラインやオレンジライン、ライトレール(LRT)や台鉄などの既存の鉄道と合わせて市内に格子状の鉄道網を形成することで、鉄道利用者数を33%増加させられるとの見通しを示した。また駅周辺地域のさらなる発展にも寄与すると期待を寄せた。
中央社フォーカス台湾:2021年12月21日
【 法務部長、嘉義と網走の「監獄博物館」交流に期待 –社会– 】
蔡清祥(さいせいしょう)法務部長(法相)は22日、文化施設として利用されている南部・嘉義市の「嘉義旧監獄」と北海道網走市の「博物館網走監獄」の間で交流を図りたい考えを示した。メディアとの会合で記者から交流の計画の有無を尋ねられた際に答えた。蔡氏は嘉義と網走はどちらも世界的に珍しい放射状に建つ木造監房が残ると指摘。網走側と交流し、経験を共有したいと語った。ただ、嘉義旧監獄では来年から第2期の修復・活性化工事が行われる予定で、工事が済んでから、日本の力を借りられないか連絡を検討したいとの意向を示した。嘉義旧監獄は日本統治時代の1922(大正11)年に完成。法務部矯正署嘉義監獄の江振亨秘書によると、嘉義は木材の集散地だったことから、ヒノキが多用されているという。2005年に国定古跡に登録された。嘉義旧監獄は2011年に古跡に登録されている本体部分の第1期の修復工事が完了した。現在は修復が済んだ区域を対象にボランティアによる定時ガイドツアーの形で限定的に一般公開され、観光スポットとなっている。第2期工事には約2224万台湾元(約9200万円)の予算を見積もっており、2023年の完成を予定している。江氏は法の支配に関する教育的意義を持ち、歴史風情と建築美を兼ね備えた文化観光の名所を作り上げたいと期待を寄せた。
中央社フォーカス台湾:2021年12月23日