【 台北駐日經濟文化代表處札幌分處 】
2022年7月第4週TOPICS
【頼副総統、対中国で台日の全面協力訴え 石破氏らとの会談で―政治―】
頼清徳(らいせいとく)副総統は28日、石破茂元防衛大臣ら超党派の議員団と台北市の総統府で会談した。頼氏は、日本と台湾の安全保障は共に中国の脅威にさらされていると指摘。この状況下、日本と台湾は国防や経済など全ての方面で協力してこそ、中国の脅威と侵略を避けることができるとの考えを示した。親日家として知られ、今月中旬には故安倍晋三元首相の弔問のため訪日したばかりの頼氏。この日の会談でも「日本、台湾の損失であり世界の損失でもある」と語り、改めて弔意を表明した。また日本政府が昨年、新型コロナウイルスワクチンを供与してくれたことに感謝の言葉を述べた。議員団は石破氏、浜田靖一元防衛大臣、長島昭久元防衛副大臣、清水貴之参院議員の4人で構成される。27日に台湾入りし、28日は頼氏のほか、蔡英文(さいえいぶん)総統や蘇貞昌(そていしょう)行政院長(首相)とも面会し、インド太平洋地域の安全保障問題などについて意見交換した。
中央社フォーカス台湾:2022年7月28日
【岸田首相の曽祖父家族が営んだ「喫茶部」 建物修復へ/台湾・基隆―社会―】
台湾で初めて中国語繁体字の書籍を取り扱ったとされる北部・基隆市にある「自立書店」の修復工事が21日に始まった。文化部(文化省)の補助を受けて行われ、約1年後の完成を予定している。建物は日本統治時代、岸田文雄首相の曽祖父・岸田幾太郎氏の家族が「岸田喫茶部」を営んでいたことでも知られる。建物は戦後、飲食店「小上海小酒館」となったが、1951年に閉店。63年に自立書店の創業者、陳上恵さんが建物を購入し、店を移転開業させた。市文化局の陳静萍局長は、設備が古く、建物の水漏れは早急に直す必要があると指摘。文化資産ではない民間所有の建物を、官民の協力を通じて保存と再生をすることから、修復には大きな意義があると語った。また修復後は2階が書店となる予定だとし、1階には文化産業関連業者の出店を歓迎すると期待を寄せた。
中央社フォーカス台湾:2022年7月23日
【台湾南部の地下ダムで記念式典 蔡総統「台日友好の証し」―社会―】
日本統治時代に南部・屏東県来義郷で建設された地下ダム「二峰圳」で23日、築造100年を記念した式典が開かれた。蔡英文(さいえいぶん)総統はあいさつで、農業発展のモデルであり、台日友好の最良の証しだと語った。県によると、同ダムは豊富な地下水を利用しようと、土木技師、鳥居信平の指揮の下、延べ14万人の原住民(先住民)を動員して1921~23(大正10~12)年ごろに建設され、サトウキビ畑の開墾に十分なかんがい用水を提供した。これまでに2回の改修が行われながら現在でも運用され、屏東の産業や集落、歴史や文化の発展に寄与してきた。この日は蔡氏の他、蘇貞昌(そていしょう)行政院長(首相)、潘孟安(はんもうあん)屏東県長、日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会高雄事務所の小野一彦所長らも出席した。県では県内を流れる林辺渓の伏流水を汲み上げる施設を建設し、今年6月に運用を開始している。蔡氏は、台湾が昨年深刻な水不足に見舞われたのに触れ、引き続き治水施設の強靭(きょうじん)性を強化し、水資源の保全と持続可能な発展を積極的に推進すると語った。
中央社フォーカス台湾:2022年7月23日
【金瓜石神社跡地の修復終わる AR技術で日本時代の様子も観賞可能に―観光―】
台湾電力(台電)によって2017年から行われていた北部・新北市にある金瓜石神社跡地の修復作業が終わった。中秋節(今年は9月10日)前後には周辺地区で関連イベントが行われる他、AR(拡張現実)技術を使って日本統治時代の様子を観賞できるようになる。
同神社は1898(明治31)年に建立。1936(昭和11)年には改築され、周辺地域の信仰の中心とされたが、戦後荒廃し、現在は鳥居2基と石灯籠、社殿の基礎や柱などが残るだけとなっている。2007年には新北市の市定古跡に登録された。
修復期間中には1代目とされる古い鳥居や石灯籠などが発掘された。また過去の文献を基に、参道に沿って、100本に上る桜の木が新たに植えられた。
台電は近年、文化財保存とパブリックアートとの融合を通じた地域おこしに力を注いでいる。27日には記者会見が行われ、AR技術で神社に新たな息吹をもたらしたと強調。スマートフォンなどを通じて過去に戻ったように、往年の神社の光景を楽しめるとアピールした。
中央社フォーカス台湾:2022年7月28日